語順訳のサイトへ、ようこそ。
英語の教科書自分では読めているつもりでも、一つ一つの英文の意味がわかっているかと言われると、よくはわかっていないことが多いのではありませんか。わかったつもりだけど、どのように訳をすればいいかがわかっていないなあと、思うことありませんか。
1年生の皆さん、ここは「コア式語順訳」といって、英文を語順に沿って一語ずつ日本語にしてゆく方法の紹介サイトです。‘Gon, the Fox’は教科書の一番最後に出てきますが、この作品を使ってその方法をお伝えしていきます。学校の進度と関係なく学べますから、今からさっそくやってみてください。
たとえば、Tom is a teacher.という文があるとします。この文からいろいろなことが学べますから、まず日本語にしたらどうなるだろうと、各単語の意味を調べますよね。Tom=トム is=「です」とか「ある」とかといった意味のbe動詞。a=「ひとつの」と訳したり、訳さない方がいい場合があります。teacher=先生。そうすると、単語の意味をならべただけで、なんとなく日本語の文にできそうです。「トム・です・ひとりの・先生」ですから、「トムは(一人の)先生です」これで意味が通じます。こんなふうに教科書の英文の意味をつかんでいませんか?意味を知るだけでいいのならこれでもかまいません。でも長い文や複雑な文になった時は困りますよね。どんな文であっても自分で訳せるようになりたいと思いませんか?そこで活躍するのが「語順訳」という方法なのです。
Tom 「トム(という人の名前)」
is 「ある、いる、なる、です」、などが当てはまるbe動詞です。
最初のTomにこの単語の意味を加えていきます。
すると、「トムです」、となりますが、英文では動詞が出てきたらその直前の単語
は主語になりますから、主語には「は」や「が」をつけます。(ルールの一つ)
「トムはです」、というようにつながります。変な日本語ですが、訳の途中なので
我慢しましょう。
a a や an は、「一つの、一個の」という意味を表しますが、日本語にしなくてもい
い場合があります。(ルールのひとつ)ここでは訳さないでおきましょう。
teacher 「先生」、が続きます。この単語をそのまま加えると、「トムはです先生」となり
ますが、ここで日本語に訳す場合のルールとして、動詞は最後に訳す、というのが
あります。日本語は英語と違って、述語は文の最後にきますので、そのようなルー
ルがあるのです。そうするとどうなるでしょうか。ここで動詞にあたるのは「です」
なので、この言葉を最後に持ってきます。「トムは先生です」となります。
どうしてこのように面倒なことをするのかというと、皆さんはまだ英語を習い始めたばかりで、「主語」だとか「動詞」、「目的語」といった文の要素と言われる言葉がわかったような、わからないような状態だと思います。このように訳をするなかで、繰り返しそれらの言葉に出会いますから、少しずつ英語の要素がどういうものかがわかってゆくはずです。要素の働きが分かり始めると、英文の姿が見えてくるようになります。こんなふうに英文が作られてゆくんだという語順感覚が育ち始めると、声に出して英語を読む、いわゆる音読もスムーズになるでしょう。英文の全体が見通せるようになると、最後は語順訳をしなくても、語順に沿って英語の意味がイメージできるようになります。つまり英語を母語とする人たちと同じような感覚で英文が読めるようになるはずです。英語学習の世界では「速読」と呼ばれている分野が得意になるでしょう。
Tom is a teacher.という文からいろいろなことが学べるのですよ。わかったようでわからない原因は、どういう目的で訳しているかがあいまいだからかも知れませんね。
Tom固有名詞、isはbe動詞で主語が三人称単数のときにこの形になります。aは不定冠詞といってひとつの、ある、とか訳す場合もあれば、日本語にするときは訳さない方が良い場合もあります。teacher名詞、というように見る見方もあれば
Tomは主語、isは述語動詞、 a teacherは補語というように、文の中でのそれぞれの単語の役割から英文を見ることもできます。
そして、Tom→ is→ a→ teacher.のように、このような順序で英語の意味が確定してゆくということを見てとるのも大切な視点です。読むという大切な学習はもちろんこの順序で読むわけです。英語を読み意味をとるということの背景には、こうした学習内容が隠れているのです。
では、ここで教科書の本文から一文をとってきて、語順訳という観点から英文を訳してみましょう。ルールをあてはめたものとして訳してみます。
Cafe Maria is my favorite restaurant in Honolulu.
Cafe Maria 「カフェマリア」(お店の名前)
is です→「カフェマリアはです」
my 私の→「カフェマリアは私のです」
favorite 大好きな→「カフェマリアは私の大好きなです」
restaurant レストラン→「カフェマリアは私の大好きなレストランです」
in~ 〜の中で→「カフェマリアは私の大好きなレストランです〜の中で」
→「カフェマリアは〜の中で私の大好きなレストランです」
Honolulu ホノルル「カフェマリアはホノルルの中で私の大好きなレストランです」
ここでin~というのが出てきましたので、説明が必要ですね。 in, on, byなどを前置詞と
呼び単語の後ろに「〜」をつけます。これらはその単語より前の言葉を説明します。この場
合はmy favorite restaurantの前に入れましょう。そして「〜」をわざわざつけてあります
が、「ナニナニ」と読み、そこには後に来る単語Honoluluを入れます。入れると「〜」は
役割を終えて消えます。
英文法の知識があらかじめなくても、つまりまだ学年の途中なので知らないことがたくさんあるかも知れませんが、自分で英語を訳す力をつけてみませんか。単語や熟語の意味はあらかじめ調べておいていいのですが、語順訳を行うときは一個ずつ進めていきます。決して先にでてくる単語はみないようにします。また、この学習法は音読とセットです。たどたどしくしか読めない英語の勉強は、あまり力がつきません。スラスラ読めてこそ、学習は意味あるものになります。ですから、ここでのやり方を学ぼうと思うなら、まず作品の英文を繰り返し読みましょう。教科書にはQRコードで見本音声が聞けますから真似をして読む練習をしましょう。
まず全文を1回読んだら、1ページ単位で繰り返し声に出して読む練習です。つっかえる単語があれば単語ごとの発音練習もしましょう。見本音声のように音読できるようになれば、語順訳の開始です。語順訳は一文ずつおこないますから、まず最初の英文を音読します。
最初は一語ずつが原則ですが、ルールがわかるようになってくれば、いくつかの単語をまとめて訳すこともできるようになるでしょう。今回はその入り口です。
NEW HORIZONの1年生の教科書から、1番最後に掲載されているLet’s Readの作品を一部語順訳してみます。「ごん狐」はネットの「青空文庫」というサイトに原文が載っていますから、一度読んでみてはどうでしょうか。教科書の英文では省略された箇所がありますが、その背景がわかり、英文の意味がよりわかるようになると思います。語順訳をしてみるのは作品の冒頭だけですが、興味を持たれた人は自分で続きをやってみてください。わからないところが出てくれば、おたよりを下さい。単語の意味をなんとなくまとまるように日本語にするのではなく、一語一語がどのようにつながって英文の意味が生まれてゆくのかを確かめながら訳しましょう。訳をしながら、訳すためのルールを解説します。教科書の最後のテキストだからといって恐れることはありません。語順訳はいつでも誰でもできる方法なのです。
注意事項としては、
綺麗な日本語にしようとしなくていいということ。意味が通じれば硬い日本語でも良い。
英語の語順で訳しているので途中は変な日本語でも我慢する。
訳がうまくいかない時はかならずルールを見てどれが当てはまるかを確認する。
うまくいかないからといって、勝手に日本語をつなげて無理に文にしようとしない、というのがあります。
つづく