Sunshineの教科書で学習している皆さん。語順訳の世界へようこそ。
語順訳というのは、英文の語順通りに単語を一つずつ加えながら日本語にしてゆく学習法です。英文を最後まで見て、習った知識を使って返り読みをする方法ではなく、また単語の意味を全部並べ、日本語だけを見て文を作るのでもありません。なぜ、この方法が良いかと言えば、英語を母語とする人たちと同じ道筋をたどることで、なによりも英語の語順感覚が備わるからです。主語や動詞といった言葉の働きを理解することにもつながります。語順感覚が備わり、単語をたくさん知っていれば、自然に英文の意味をつかめるようになります。
その意味をつかむ時間が短くなり、長文問題に向き合った時、力を発揮することができるようになるでしょう。その入門編です。
The savanna is amazing.
It’s a dangerous place too, you know.
Why is it dangerous?
Because elephants sometimes attack schoolchildren.
という箇所の語順訳をやってみましょう。
一語一語取り上げますが、まず単語を声に出して読み、それからその意味・日本語を言います。ここでは書くことでしか授業を進められませんが、実際は一文の訳が完成するまでは声に出して行います。
まず、訳をする4行をスラスラ言えるまで音読練習をしてください。そして訳が出来上がったらまた音読です。音読は語順訳と同じくらい大切な学習です。教科書の見本音声を真似て何度も声に出して練習しましょう。
また、解説の中で「主語」「動詞」「目的語」といった言葉が出てきます。文中での言葉(単語)はそれぞれに役割をもっていますが、その役割に応じて名前があります。最初はなんとなくしかわからないかもしれませんが、ルールにしたがって何度も繰り返し使っているうちにだんだんとはっきりしてくるでしょうから、焦らないでやってみましょう。
The savanna is amazing.
主語 (述語)動詞
こうして書いてしまうと最初から全文が目に見えますが、実際はThe savannaという語句が出てきただけでは主語とはわかりません。isという動詞が来た時に、その前の語句が主語だとわかるのです。英語はこの主語→動詞の流れ、つながりが基本となります。日本語ではあまり主語というのを意識しないで使うことが多いでしょう。ときには省略してしまうことだってあります。
「放課後野球する?」「宿題忘れた」なんていう文には主語がありません。主語がないけれど普通に使っています。でも、英語は違います。主語は必ず使うといっていいくらいです。
英語の知識として主語を知っているつもりでも意外と忘れてしまって、“play baseball after school?”なんて言ってしまいがちでしょ? これでは命令文になってしまいます。
では、はじめましょう。まず一文を音読します。それがスラスラと言えたら訳です。
The savanna is amazing.
The 特定の名詞が後にきます。「その」と、訳さない場合もあります。
→ルール ここでは訳しません。
savanna サバンナ(どういう地域を指しているかは自分で調べてください)
is isはbe動詞ですから、「ある、いる、なる、です」などの言葉からどれ
かを当てはめておきます。ここでは「です」にしておきます。
動詞isが出てきましたので、その前の言葉The savannaが主語になり
ます。→(ルール)
英語の主語は日本語に訳す時に「は」や「が」をつけます。→(ルール)
「サバンナは」とします。ここまでの三つの語句をつなげましょう。
(サバンナはです)
amazing すばらしい ここまでの言葉を普通につなげると「サバンナはです・
すばらしい」となりますが、日本語では動詞や述語は文の最後にきます。
→(ルール) ですから、順序を入れ替えてあげましょう。
(サバンナはすばらしいです)
It’s a dangerous place too, you know.
It’s It’sはIt isの省略形 (それは です)It は人称代名詞表で確認してお
こう。目的格も同じitだけれど、ここは動詞がすぐ後にきているので主
格になります。isはここも「です」でいきましょう。
a 「一つの・一個の」という意味があります、後には単数の名詞がきます。訳さない方
がいい場合があります。→ルール
ここでは訳さないでおきましょう。
dangerous 危険な ここまでの日本語を加えると「それはです・危険な」となり
ますが、先ほどのルール「日本語では動詞や述語は最後」をあてはめま
す。(それは危険なです)
place 場所 「それは危険なです・場所」やはり述語を最後にすると
(それは危険な場所です)
too 〜でもある 「それは危険な場所です〜でもある」(それは危険な
場所でもある)場所を示しているので「それは」ではなく「そこは」に
変えた方がいいでしょう。(そこは危険な場所でもあります)
you know 知ってる?(そこは危険な場所でもあるんだ、知ってる?)
Why is it dangerous?
Why なぜ?どうして?
is またbe動詞がきました。(なぜですか?)
it it(=savanna) 主語になります=そこは 「なぜですか・そこは」述語
は最後、のルールを当てはめます。(なぜそこはですか?)
dangerous 「なぜそこはですか危険な」また、述語は最後を適用します。
(なぜそこは危険なですか→なぜそこは危険ですか?)
Because elephants sometimes attack schoolchildren.
Because (なぜなら)〜だから
elephants ゾウたち elephantの複数形elephants
(なぜならゾウたち〜だから)
sometimes ときどき 「なぜならゾウたち〜だから・ときどき」「だから」は文
の最後にきますから (なぜならゾウたちときどき〜だから)
attack 襲う 「なぜならゾウたちときどき〜だから・襲う」
動詞attackがでてきましので、その前にある名詞のelephantsが主語
となり、「ゾウたちが」となります。また〜には述語動詞attackが入
ります。(なぜならゾウたちがときどき襲うから)
schoolchildren. schoolchildの複数形、生徒たち
動詞attackのあとにきている名詞は目的語と言って、日本語
にするときには「を」や「に」をつけます。→ルール
「なぜならゾウたちがときどき襲うから生徒たちを」→動詞は最後
(なぜならゾウたちがときどき生徒たちを襲うからです)
ここで出てきた主なルールを振り返ってみましょう。
・動詞が登場してはじめて、その前の語句が主語と決まる。
・主語には「は」や「が」をつける。
・日本語では述語動詞(be動詞・一般動詞)は文の最後にくる。
・動詞の後に来る名詞は目的語と言い、名詞の後ろに「を」や「に」をつける。
このほかにも次のような訳ルールがあります。
・前置詞(on in with など)が出てきたらon~ in~ with~のように「〜」(ナニナニ
と呼んでいます)を付けて考えましょう。on ~は「〜の上に」となり、たとえばon the
deskなら、〜のところに「机」が入ります。「机の上に」となり、日本語とは順序が逆に
なります。
・原形動詞の後ろにedがついたら、過去になります。 look(見る)→looked(見た)
・edがつかずに不規則な過去形もあります。→不規則動詞 see→saw, is→was
不規則動詞は覚えるしかないです。
・動詞の原形で文が始まれば命令文。 Come here. ここに来なさい
・to+動詞の原形(〜)の組み合わせのことを不定詞と言います。不定詞には次の3つの意
味のどれかになります。①〜すること ②〜するための ③〜するために
これは文の流れからどれがいいかを考えることになります。
このような10個余りのルールを使って訳していくのが語順訳なのです。つづければ必ずなれてきます。なれてくれば訳をするのが早くなります。早く訳せるようになれば、面白くなります。
英文の意味をつかめれば、それでいいのではないか。なにも語順訳のような回り道をしなくても先生の説明を聞くことができるのだから。そういう思いが起こりませんでしたか?
その通りです。とにかく日本語にしてしまい、先生の説明を聞いて、すべてが「わかる」人はそれでいいかもしれませんね。でも多くの人が途中でわからなくなります。自分で英文を訳すことを通して、英文の仕組みを感覚的に受け止めるというのは、その説明についてわかるようになるための土台作りなのです。日本語にすることが大事なのではなくて、英語について体験的な学習を積み重ねることのほうが、結局は早道なのです。英語という言葉の特徴を語順訳しながら体験するほうが、説明だけを聞いてわかろうとするよりも効果的だと言えるのです。知識の説明よりも、まず目の前の英語をスラスラ読めることが大事。
読めたら次は、英文がどんなふうに成り立っているかを自分で確認します。そしてまた、英文が主語+動詞+目的語(補語)というように並んでいると説明を受けたら、それを覚えるのではなく、英文が主語→動詞→目的語(補語)のように展開してゆく順序を体に染み込ませることが大事です(そのためには上手な音読が欠かせません)。
よくわかっていない説明を丸暗記するのが良いか、自分で英語を体験するのが良いか、いちどよく考えてみてください。
うまく訳せない時は問合せてください。個別に対応して差し上げます。