語順感覚を手にいれ、文の要素概念の把握に向かう

楽しんで学びはじめたはずの英語が、次第にわからなくなり、そしてつまらなくなり、学年を追うごとに挫折する生徒が増えていくのをなんとしても防ぎたいものです。

わからなくなる、その一番の理由は、英文との十分な接触がない段階で知識をつぎつぎと与えられ、説明を受けることにあるのではないでしょうか。
外国語を学習するとき、一番大事なことは、文章が文法的に易しいとか難しいではなく、まずは内容的に理解できるものであれば、自然な文章にどんどん触れることだと思います。

どんどん触れて、英文の語順に慣れ、語句の働き、つまり、文の要素の概念を、まずは感覚的に手に入れる。
関係代名詞や過去形や命令文が出てきても関係なく学べるのが語順訳の特徴です。一定水準の音読は必須ですが、語順訳同様誰でも挑戦できる活動です。

SVOCと連なった文を見て、日本語との違いを説明されてもそのことがわかるようにはならないのが常でしょう。そこで問題集を解く練習を重ね、慣れていくことはあっても文の要素自体の理解はほとんど進まないのではないでしょうか。
S→V→O→Cと言葉が順次登場し、その後を追いかけながらルールに従って自分で日本語に訳す行為は、体験として積み重なっていきます。決して後戻りせず前に進みます。
そうすることで培われるのが、語順感覚と文の要素の働きです。
その二つがしっかりと入ると、いわば植物の根のように、土中の水分や栄養素を吸収しはじめます。逆に言えば一般的な学習法では、この根が土に定着し、太くならないうちから肥料をやりすぎて、根腐りを起こしているように見えるのです。

語順感覚と文の要素こそ、学習の基本となるものと言えるでしょう。