中学の英語教科書を語順にそって訳してみる   その13

〜英語の基礎力をつけるための語順和訳と音読〜


NEW HORIZON 3より

教科書の24ページ。
俳句のことが書かれてあるところを一部取り上げます。

Haiku have been an important part of Japanese 
culture since the Edo period. 

これを語順和訳してみます。
Haiku        俳句
have been      ずっと‥である
           →俳句はずっと‥である
an important part  重要な一部(aは訳さないでおきます)
           →俳句はずっと重要な一部である
of          〜の
           →俳句はずっと〜の重要な一部である
Japanese culture   日本文化
           →俳句はずっと日本文化の重要な一部である
since         〜以降
           →俳句は〜以降ずっと日本文化の重要な一部
            である

the Edo period    江戸時代
           →俳句は江戸時代以降ずっと日本文化の重要
            な一部である


Haikuという言葉は複数形扱いになっています。数えきれないほど作られてきた俳句の世界全体を指しているからです。これに対してtraditional English poemsと英語の詩については複数形poems
で書かれています。言いかえるとtraditional Japanese poemsとなるのですが、日本には俳句以外にも短歌という詩の形式があり、昔から区別して使っています

Haiku is a Japanese poem. この場合は、俳句という形式はということになるでしょう。


ところで、
Second, the lines do not have to rhyme.
と書かれていますが、英語の詩では「韻を踏む」ということが行われます。

イギリスの詩人にウイリアム・ワーズワースWilliam Wordsworthという人がいますが、その人の「水仙」という詩は次のように始まります。


The Daffodils
              
I wander’d lonely as a cloud
That floats on high o’er vales and hills,
When all at once I saw a crowd,
A host of golden daffodils,
Beside the lake, beneath the trees
Fluttering and dancing in the breeze.

cloud―crowd,  hills―daffodils,  trees―breeze

一部の音が重なり合って、英語を話す人々は、そこに言葉の美を感じるのだと思います。

対して、
古池や
蛙飛び込む
水の音

では、どうでしょう?

語の意味だけをたどれば「古池に蛙が飛び込んで水の音がした」というだけです。それがどうした、と言いたくなりますよね。
季語という季節を象徴する言葉「蛙」が使われ、五七五にまとめられると、個々の語は意味を超えてイメージ豊かに広がりを見せるのを感じることができますか?

英語は読み始めると、波のうねりのような音の起伏(イントネーション)が生まれますが、日本語はタタタタタ・タタタタタタタ・タタタタタです。五十音は「ん」を除けば子音と母音で
できていますから、一音ずつ刻むような音の連なりとなりますが、英語のうねりのようなものは生まれないようですね。あるいは、詩人はそこを苦労して作り出しているとも言えます。

「古池」と「水の音」は事実の描写。「蛙飛び込む」は音を聞いて、そのことを想像し作り出した芭蕉の言葉、と言えそうです。

五七五のリズムで言葉を紡ぐと、何か普通の文ではない感じがする日本語と違い、英語は言ってみればリズムに加えてイントネーションと語の個々の音の響き合いが大事だし、そこに言葉の美しさが生まれる秘密があると言えるでしょう。

個々の英文を読むとき、リズムと、文に固有のイントネーションに注意して聞いて、再現することが大事ということになります。