50年目を迎えて

私たちの団体・コア英語教室は令和6年4月で50周年を迎えました。

母語の習得は自然過程であると言えます。自分に浴びせかけられる保護者からの言葉の中に、幼児は母語の基本的な規則を見つけ出していきます。その過程の自然さに倣った英語学習を、週1回の習い事として行い、成果を生み出すことはできないか、そのような志を持って50年前創業いたしました。

基本は物語を教材に据えることでした。物語の英語文に対応する日本語文をセットにしたものを繰り返し聞き、聞き覚えた英語で劇活動を行います。もちろん、普段の授業ではワークブックやカード取りなども行いますが、1学期に一つの物語を劇発表できる段階まで進めます。その後、小学高学年以降では英文を語順に沿って訳す語順訳を導入し、またフォニックスを練習しつつ単語暗唱にも取り組んでいます。高学年でもやはり劇発表や暗唱することを通しての再表現は必須。音読の質は年々向上して、ふだんその対策のための学習をしていなくても、英検®︎にも合格者を多数出すことができています。小学生から入会していれば、中学生で2級合格も十分に目標となり得るまでになりました。今では高校1年〜2年で準1級が目標です。物語の訳と音読をし続けることで、速読力がつき、大学受験の長文読解にも力を発揮できるようになっています。語順訳と音読指導を主とすれば、文法学習や問題集による学習は従と言えるでしょう。音読の質を上げることが最大の目標となっています。物語を教材とすることで、英文の一つ一つが心に染み渡ります。また単語の働きも文脈によって少しずつニュアンスが異なることも体得できます。こうして初めての英文に向き合い、知らない単語に出会っても類推ができるようになっていきます。

教材が物語であること。語順訳を通して「返り読み」の癖がつかないようにすること。何よりも単語が早く読めるようになること。そして一定水準の音読の質を追求すること。こうした学習が総合力をつけさせているのだと考えられます。フォニックスや単語学習、また語順訳や音読など学習のほとんどは意識的なものです。しかし、教材を物語にすることで学習の基底にはある自然さが保証されます。母語の自然習得とはもちろんかけ離れてはいますが、心が関与し、質の高い音読表現はある自然性を達成していると考えられます。

知識学習を含むとはいえ、それが主ではなく、物語を読み、再表現するという方法を主とすることで、英語という言葉に現実感を覚えているのは間違いないことです。生きた言葉を相手に学習することが、結局は成果を生み出す早道であると言えるのではないでしょうか。