前回の記事は 中1から関係代名詞!?品詞と5文型も!?(実例2) です。
他動詞が述語動詞として使用されたとき、目的語を要請する機能をそこに持ちます。日本語における助詞、「を・に」です。日本語では目的語の名詞のあとにつきます。英和辞書によっては訳語に(を、に)をつけているものもありますが、本来的には実際に使用されたときに、その機能をもつと考えるべきでしょう。
コアでは | 他では |
私は 私は(を)持っています 私は(1冊の)本(を)持っています |
日本語をつなげて
私は1冊の本を持っています。 |
英では | 「を」have(もっています) |
日では book(本) | 「を」 |
となります。訳の時にはおなじ日本語「本を持っています」で、見えてきませんが、英語では動詞→目的語、日本語では目的語の名詞→助詞→動詞の順序になります。語順訳をしていると、あとに目的語が来ることが自然に理解されてきます。
この違いを意識させることこそが大事です。子供は日本語にしてしまえば、英語のことは忘れる。あとは英語の「知識」をおぼえればいい、となってしまいがちです。しかし、統語としてみたときには、明らかにこれはちがいます。順序だけではなく、英語では主語と結びついた動詞に力点が置かれ、日本語では名詞に或いは助詞に力点が置かれる。
この力点の違いは重要です。重要ですが、「重要だ」と教えてもわかりません。。英語の話者ではないですから。S+V+O(C)のSとVの強い結びつきは知識として以上に、体験として手に入れるほうが、強く残るはずです。
語の順序や配置によって語と語の関係が決まってくる、このことはいくら強調してもし過ぎることはありません。例文は短いですが、長い文になっても、骨格は同じなわけですから、この理解の仕方を推し進めてゆけば、文の全体の構造を見抜けるようになります。そのためには品詞や文型は何よりも始めに押さえておいた方が良いといえます。句や節が見えるようにすること、それが理解を一層早めます。
解説「コア式語順訳」もくじ
第1部 「ことば」への立場
- 概論:なぜ物語?なぜ語順訳?
- 実践編:コアの語順訳(実例1)
- 補遺:自然な英語に丸ごと触れる