「教科書の最後から始める中学の英語」

弊社代表の弟月哲夫が、「教科書の最後から始める中学の英語」(発行:青山ライフ出版)という本を上梓しました。
前半は中学校の先生方を主な対象として書き、後半はこの10年間、大阪天満校のクラスの見学、記録をしながら考察した事柄です。

私たちの考えと方法は、一般的な学習法と比較したとき、とても特殊です。完結した一つの作品を生徒が自分で訳し、読み、全文を音読することを、学習の初期段階から導入することは、一般的には珍しいことだと思われます。英語の読み方を学ばせながら、すぐに語順訳を始めることは、多くの生徒ができることです。そして程度の差はあれ、それを音読し、再表現することで培われる力は確実に存在します。それは一見目には見えないので、見落としがちですが、知識の感覚的理解を推進し、深めるとても貴重なものです。それを育てながら、片や知的学習も進めるのが、私たちの方法の骨格であると言えるでしょう。

知的学習は、主に対象が文法という合理的な世界の理解を求めるものですから、生徒によって、能力差があるのは否めません。しかし、本人が学ぶ意欲を持っていれば、感覚的な方面からの理解は進みます。文法に対して非力な生徒こそ、音読を徹底しなければならない、そう思います。それは母語習得の自然過程に似てはいますが、現実の世界と想像の世界という違いがありますから、同一とは呼べません。その努力が点数を取るためのものからではなく、他言語を学ぶ関心の強さからくるのであれば、英語に対する理解への道を、間違いなく歩むことができるはずのものです。

本書の反応がどのようなものかはわかりませんが、これは言っておきたい、ということをとりあえず書きました。50年前、理想を抱いてコアライブラリーを立ち上げた諸先輩、同輩たちの思いが、少しは言い表されているのではないか、そう思っています。

 

各教室でモデルレッスンを行っています。お気軽にお問い合わせください。

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